田中益三
別冊歴史REALは満洲もののムック本を2冊出したが、その好評に気を良くした編集部は、今度は単行本に打って出た。それが『満洲怪物伝』。ハンディな本で、価格も1800円+税と手ごろだ。怪しげなタイトルだが、中身は怪物伝が18人、人物伝(軍人、政治家、官僚、満鉄、経済人、文化人、女性、中国人)で82人という構成。せらび書房代表の田中益三は、怪物を5人、あとは女性編で7人を書いた。どれも着実な人物伝のつもりで筋を通した。 この本はタイトルほどに中身はどぎつくない。満洲の怪物と人物を知る好著。女性のなかに岸富美子さんは入っていない。ロシア人やユダヤ人、朝鮮人が入らなかったのが、ちょっと残念。